「金田に美味しいマレーシア料理を提供するホテル兼レストランがありますよ!」
とよく来るお客さんからの情報を聞く。
Twitterでもしばしばタイムラインに流れてくる「パプリカホテルです」さん(以下パプリカ)のことだ、とすぐ頭に浮かんだ。
シングルオリジンコーヒーの世界と通ずる、自由と楽しさ、そして多様性
面白い投稿をいつもしていて、いつも感じるのは「自由と楽しさ、そして多様性」だった。
シェフの気まぐれで毎日違う味を提供する。一見すると驚いてしまう その文言。ただ、私は初めからそれに深い共感をしていた。材料だって人だって毎日状況は変わるのだから、そのなかのベストを尽くすために変化を変えるのはごく自然では、と思ったから。
シングルオリジンコーヒーの世界も、日々変化する味わいを人が見極めて捉える。その世界観があるからだ。
マレーシアで5つ星をとったシェフが振るう、しっかり旨味を感じるマレーシア料理。そして自由と楽しさを発信しながら、お客様へのホスピタリティもしっかり感じられるスタッフのみなさまの対応。面白いなーと率直に思ったのだ。
飲みたいのでコーヒーを淹れにきてくださいー!と冗談半分でボスである飯塚代表にTwitterで言われ、すぐに道具を持って淹れに行った。これは面白い組み合わせができる直感もあった。
そんな私のバカを快く受け入れて、お客様やスタッフも巻き込んで楽しんでくださったのが印象的だった。そこから約1年、新しい話がスタートする。
パプリカさんのスタッフである新井さんから「パプリカでコーヒーとセットの料理を提供したい」と。
彼女はカステットさん(木更津ほたる野のパン屋さん)で提供されるアイスコーヒーを飲んでいて、そのパンとコーヒーの組み合わせの美味しさも知り訪ねてくださったのだ。
想いや品質をお互い理解している今までの経緯があり、話はすぐに進んだ。コーヒーのサンプルを持って、パプリカでの試食会がスタートした。

マレーシア料理をひきたたせるため、THE COFFEEでは初となる深煎りコーヒーを用意
パプリカさんが提供するマレーシア料理は、素材と調味料のうまさがしっかりと感じられる料理が多い。そして香辛料もある。一言で言えば「重ための旨辛い」料理なのだ。
スペシャルティコーヒーは風味が繊細な部分があり、そのままでは負けてしまうリスクもあった。そこで用意したのが、THE COFFEEでは初の深煎りのコーヒーだった。
インドネシアソフィー地区は、深煎りの苦味の奥に甘さや酸の質を感じられるコーヒー。グアテマラサンクリストバル農園は、中深煎りのワインに特化した風味特性と甘さが感じられるコーヒー。
その2種をぶつけたのだ。ただ、それでも通常濃度では強さが釣り合わず、それをさらに濃くしていく作業を行った。
そこで濃度と強さがあったペアリングはお互いの良さが共存し、なおかつ満足度の高いセットとなった。
マレーシア料理×コーヒーという提案のもと出来上がった今回のペアリングは、THE COFFEEが今までに行わなかった新しい挑戦へと昇華させた。

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◎スパイシーグリーンチリ×インドネシア ソフィー地区メインのブレンド
こちらはグリーンチリの辛さに合わせてしっかり深煎りでアーシーな甘さがあるインドネシアと合わせた。不思議と食べ合わせると苦味よりもコーヒーの甘さが感じられる。
◎ロティジャラチーズ×グアテマラ サンクリストバル農園メインのブレンド
チーズの甘さとコーヒーの甘さを合わせてワイニーな印象が際立つペアリングになっている。一体化する味わいをぜひお楽しみいただきたい。
パプリカホテルです
住所 千葉県木更津市金田東1-20-20