こんにちは!加藤です。
THE COFFEEをカウンターの外からの目線で深堀りしていくブログ「THE COFFEE’s Check point」。
今回のテーマは!
「スペシャルティコーヒーって結局なに?」
普通のコーヒーとなにが違うの?という所をお伝えして行こうと思います!
今回の内容はだいぶ熱が入ってしまいましたので長くなっております(笑)
是非お時間ある時に、コーヒー片手に読んで下さい♪
スペシャルティコーヒーの定義とは?

まずは「スペシャルティコーヒー」という言葉について。
実は日本には「日本スペシャルティコーヒー協会」という団体があり、そこにしっかりと定義されています。
定義された内容を要約すると、
1,コーヒーを飲む人が美味しいと思えること
2,コーヒーが際立った特徴(甘さ、香り、酸の質など)を持ち、それを感じられること
3,農園で徹底した品質管理から生まれたコーヒーを、輸送時の品質劣化が無いように運び、コーヒーの特徴を活かした焙煎を行って、適切な抽出方法で提供すること。
これらの要素を認められたコーヒーが「スペシャルティコーヒー」と呼ばれるのです!
「この豆はスペシャルティコーヒーです!」と売られている訳では無く、生産から提供まで、関わる人がみんなでコーヒーの魅力を伝えようと頑張った末の商品なんですね。
説明の都合で大きく3つに分けましたが全てが重なりあってこそスペシャルティコーヒーです。
それぞれについて説明していきますね♪
あなたが飲んでいるコーヒーはどんなコーヒー?
まず、スペシャルティコーヒーに定義があるのならば、「その定義の外にあるコーヒーの事はなんて呼ばれているの?」と思いませんか?
缶コーヒーやインスタントコーヒー、市販のドリップパックやブレンドされた豆の通称として「コマーシャルコーヒー」と呼ばれています。
コマーシャルコーヒーをざっくりと説明すると、「大量生産と流通の為に品質を均一化したコーヒー」と言ったところかと思います。
日本におけるコマーシャルコーヒーのルーツは1950年代、戦後に人口が爆発的に増えていった時代に遡ります。
日本人の多くに受け入れられていったコーヒーですが、増加する需要に対して供給を増やさなければいけないメーカーは、コーヒーの出荷を増やす為の方法を考えます。
それは、「深煎り」で焙煎を行う事です。
スペシャルティコーヒーは、浅煎りや中煎りで焙煎することが多く、それぞれの豆が持った特徴を消さないように焙煎の深さを決めています。
ですが、大量生産がしたいメーカーとしては、豆ごとに焙煎を変えるのは至難の業。
そこで、とにかくどんな特徴を持ったコーヒー豆でも、深煎りにして苦味と香ばしさを均一に出すことで商品としての品質を一定に保ったのです。
皆さんもコーヒーと言えば苦味と香りのイメージが強いのではないでしょうか?
これはメーカーが需要に対応するための頑張りでもありますが、それぞれのコーヒー豆が持つ特徴が消えてしまう結果にもなっていたのです。
この製法はメーカーの「大量生産」に対しての工夫であり、「消費者が美味しいと感じるため」の工夫ではありません。
ここがスペシャルティコーヒーの定義につながってきます。
まずは「コーヒーを飲む人が美味しいと思えること」
消費者に美味しいと思ってもらえるようにコーヒーと向き合うのがスペシャルティコーヒーの考え方であり、一番大事なマインドなのですね。
もちろんコマーシャルコーヒーの工夫は「消費者に多く届けるため」の工夫なのでどちらが悪いという話ではありませんよ。
次に「コーヒーが際立った特徴(甘さ、香り、酸の質など)を持ち、それを感じられること」
コマーシャルコーヒーではこれらの特徴を均一にする方向で焙煎されています。ですので消費者もコーヒーの甘さや酸の質などを感じる事が難しいです。
スペシャルティコーヒーではそれらの特徴をより鮮明に感じられる様に焙煎や抽出を行っていくのですね。
「From seed to cup」の、その先に。

ここからはスペシャルティコーヒーの定義の中でもう一つ、考え方の軸になる部分を紹介していきます。
私が要約した定義の最後の文
「農園で徹底した品質管理から生まれたコーヒーを、輸送時の品質劣化が無いように運び、コーヒーの特徴を活かした焙煎を行って、適切な抽出方法で提供すること。」
これは、スペシャルティコーヒーの世界において「From seed to cup(種子からカップまで)」という言葉で表される指針です。
コーヒー豆の持つ特徴を、出来る限り最高な状態で味わってもらえるように、関わる人みんなが全力を尽くしましょう!と言う何ともアツい志なんです!
極論として、コーヒー豆の特徴が最大に味わえるのは、農園から出荷されるタイミングの出来立ての一瞬。そこから時間が経つと徐々に品質が下がっていき、風味が落ちてしまいます。
産地を出発して日本に向かう最中に、豆を運ぶ人が温度や湿度を気にせず運んだら、更に劣化が進んでしまいますし、豆を仕入れて焙煎をする人がコーヒーの特徴を理解していないと、個性を消すローストをしてしまうかもしれません。そして、どんなに良いコーヒー豆でも、バリスタが適当な淹れ方をしてしまえば、その良さを味わう事は出来ません。
農園の生産者から、輸送、焙煎、抽出と、全てのタイミングでコーヒーの品質が保たれているかチェックをしているからこそ、「スペシャルティコーヒー」と呼べるのです!
スペシャルティコーヒーに関わる人々は、生産されたコーヒー豆が持つ美味しさを100点として、いかに点数を下げない状態でお客さんに提供できるか!という所で戦っているんですね!
ご紹介した「From seed to cup」という言葉。
THE COFFEEでは、こちらの記事 にある様に、コーヒーを通じて地域社会と繋がる思いを込めて「From seed to cup to community」と付け加えて、日々の営業の軸にしているそうです。
「コーヒーを提供したその先にあるもの」
お店を訪れると、それが何か感じられるかもしれませんね♪